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読書感想文がうまく書けない…「自分のことば」で書ける子に育てる家庭の工夫

読書感想文がうまく書けない…?
それは 「正解」 がないからこそ伸びる力がある証拠です。
でも、「何を書けばいいのか分からない」 「親としてどうサポートすればいいか分からない」
そんな不安を抱える保護者の方も少なくありません。

この記事では、「うまく書かせる」 ことよりも、「自分の気持ちを言葉にする」 ことを大切にした家庭でのサポート法をご紹介します。
読書感想文を書くことは、子どもが 「自分らしさ」 と出会う絶好のチャンスです。今日からできる声かけや工夫を、一緒に見ていきましょう。

1.「うまく書けない…」 は成長のチャンス

読書感想文に苦手意識を持つ子どもに 「どこが難しいの?」 と聞くと、多くが 「何を書いていいか分からない」 「正解がないのが困る」 と答えます。

これは、普段の学習で 「正しい答えを出す」 ことに慣れている子どもたちにとって、「自分の気持ちを表現する」 経験が少ないことに起因しています。

しかし、読書感想文の目的は、作者の意図を完璧に読み取ることでも、読み手を納得させる構成に仕上げることでもありません。本を読んで自分の心に生まれた感情や考えを、自分の言葉で書いてみる。それこそが、本質的な 「書く力」 の育成につながるプロセスです。

✔ 感想文に正解はない! 「自分らしさ」 が最大の武器に

読書感想文で求められる 「自分の考えを言葉にする力」 は、いま教育現場で注目されている 「非認知能力」 に含まれます。これは、数値では測れない力 (自己表現力、やり抜く力、共感力など) のことで、子どもたちの将来の学業成績や社会的成功、ウェルビーイング (幸福感) にも関係する重要な力です。

ハーバード大学の研究 (Heckman & Kautz, 2012) では、「自己表現力」 や 「内発的動機づけ」 が将来にわたって学習や仕事、人生の満足度に影響すると報告されています。読書感想文で 「自由に書く」 経験は、まさにその一歩なのです。

 

2.子どもの表現力を引き出す3つの家庭の工夫

子どもが 「自分らしく」 感想文を書けるようになるには、家庭での関わり方が大きな鍵を握ります。以下の3つの工夫を心がけてみましょう。

● 工夫① : 「発見」に目を向ける声かけ

感想文を読み終えたあと、「上手に書けたね」 とほめることや、「ここをもっとこうしたら?」 とアドバイスをしたくなる気持ちはよく分かります。

ですがまずは、「こんなことを感じたんだね」 「この部分に注目したのが面白いね」 と、子どもが 「気づいたこと」 に焦点を当てて声をかけてみてください

評価ではなく 「自分の気持ちを見つけられた」 ことを肯定してもらうと、子どもは自信をもち、表現することに前向きになれます。

● 工夫② : 経験と結びつける対話

本を読んで登場人物の気持ちに共感したり、自分の経験と重ねたりすることは、「自分らしさ」 の源になります。

例えば、

 • 「この場面、前にあった○○のことを思い出さない?」

 • 「もし自分だったら、どうすると思う?」

こんなふうに親子の対話を通じて、本の世界と自分の体験を結びつけると、自然と 「自分だけの感想」 が生まれてきます

● 工夫③ : 「その子の言葉」 を肯定する

子どもが使った表現に対して、「もっと上手な言い方に変えようか」と言いたくなることもあるでしょう。

でも、「ちょっと変わっている」 「ユニークすぎる」 と思える表現にこそ、子どもの感じ方や思考が現れています。

例:

 • 「お父さんの “へこたれない” って、主人公と同じ気持ちかも」

 • 「ドキドキしすぎて心臓がジャンプした!」

こうした 「その子らしい」 表現を大切にすることで、子どもは「自分の言葉に自信を持っていいんだ」と感じられるようになります。

 

3.評価より “伝える経験” を大切にしたい理由

読書感想文コンクールの影響もあり、「うまく書かせたい」 「評価されたい」 と思ってしまうことはあるかもしれません。

ですが、読書感想文は 「結果」 ではなく 「過程」 を大切にしたい学びです。大切なのは、子どもが 「自分の気持ちを見つけ、それを誰かに伝えることができた」 という経験で、それこそが子どもの大きな成長です。

✔ 非認知能力 ・ 自己肯定感を育てる作文の力

国語教育の研究 (佐藤学, 2013) でも、自己表現を中心とした活動 (自由記述や対話) が学習意欲や学力の向上に寄与することが示されています。

「また書いてみたい」 と思える経験こそが、次の学びへの原動力になるのです。

保護者の声かけも、「うまく書こうとしなくていいよ」 「自分の感じたことを大切にしよう」 と伝えるだけで、子どもは安心して感想文に取り組めるようになります。

 

4.『ブンブンどりむ』 で育つ 「自分らしく書ける力」 とは?

作文が苦手な子どもにとって、「いきなり書く」 ことは大きな壁です。

『ブンブンどりむ』 では、その壁を乗り越えるために、ステップを細かく区切った教材と、対話を重視したサポートを用意しています。

● 7月号限定 『読書感想文ラクラクBOOK』

 • 「感じた ・ 思った ・ 考えた」 を整理するフレームワークシート

 • 書き出しのヒントや接続語の例文集

 • 自分の経験と本をつなげる問いかけワーク

などを通じて、「自分らしい感想文」 を無理なく書ける工夫が詰まっています。

また、

● 子ども一人ひとりに寄り添った個別添削

提出された作文 (課題シート) は赤ペンコーチによる個別添削で、言葉の良さや表現を丁寧に受け止めたフィードバックが届きます。

それが 「もっと書いてみたい」 というモチベーションにもつながっていきます。

 

5.まとめ : 子どもの “言葉の芽” を親が信じて育てよう

読書感想文を書くということは、子どもが 「自分の気持ちや考え」 を自分の言葉で表現できる、かけがえのない学びの場です。読書感想文は、「正しく書く」 ものではなく、「自分の言葉で、自分の思いを伝える」 ものです。その経験は、書く力以上に、子どもが自分の気持ちを受け止め、自信を持つきっかけになります。

保護者にできることは、評価よりも表現を大切にするまなざしを持ち、子どもの言葉に寄り添うことです。そして、「よく書けているか」 より、「その子らしい発見があるか」 に目を向けることです。

この夏は、子どもの 「自分らしさ」 と出会うための読書感想文に、親子で取り組んでみませんか?

※イラストは「イラストAC ミミクリさん」より

小学生向け通信教育講座「ブンブンどりむ」

どりむ社(ブンブンどりむ)

『ブンブンどりむ』は、「マンガ形式の学びやすいテキスト」と「30年の実績ある、ほめて伸ばす添削指導」で、お子さまたちがこれからの社会で求められる「書く力」「考える力」を基礎から育み、ぐんぐん伸ばします。