- 学習
「うちの子、作文になると手が止まるんです…」
「自己紹介って、いざ書こうとするとなぜか言葉が出てこないようで」
そんなお悩みを抱えている保護者の方は少なくありません。とくに 「自分や家族のことを紹介する文章」 は、一見簡単そうに見えて、実は子どもにとって難しいテーマでもあります。
なぜなら、小学生の多くは 「相手目線で考えて書く力」 や 「自分の特徴を言語化する力」 がまだ育っている途中です。とくに低学年では、自分の内面を客観的に表現する経験が少ないため、自己紹介文で筆が止まってしまうこともよくあります。
そこで今回は、そうした子どもたちが無理なく楽しく取り組めるような声かけの工夫や、家庭でできる実践的なトレーニング方法をご紹介します。
作文が苦手な子どもにとって、最も大きな壁は 「何を書いたらいいのかわからない」 ということ。そんなときは、あえて 「当たり前すぎること」 から始めるのがコツです。
また、「は」 をしっかりと何回も使えるようになると、一文がわかりやすい文になります。
例えば、
• うちは3人家族です。
• わたしは小学2年生です。
• お父さんは中学校の先生をしています。
• お母さんはレストランでパティシエの修行中です。
• 休みの日には、家族で川や湖に出かけます。
一見すると、教科書の例文のように感じるかもしれませんが、実はこうした 「身近なこと」 を書く力こそが、文章力の基礎になります。
書き出しのハードルが下がれば、続きも自然と書けるようになりますし、何より 「自分にも書けた」 という体験が、次の作文への意欲につながります。
また、家族のことを書くときは、ちょっとしたエピソードを加えるだけで、グッと魅力的な文章になります。
例:
「お父さんは中学校の先生です。理科が得意で、よく家で手品のような実験を見せてくれます。」
このように、「誰が ・ どこで ・ なにを ・ どんなふうに」 を意識するだけでも、文章に臨場感が加わり、読み手に伝わりやすくなります。
「自分のことを自由に書いていいよ」 と言われると、逆に困ってしまう子どもも多いもの。
そこでおすすめなのが、「自分の名前の文字を使った 「あいうえお作文」 で、自己紹介の文をつくる」 遊びです。
例えば、
(例)たなかけんいち
た んきゅう心がおうせいで
な ぞときが大好き
か がく者になるのが夢
けん きゅうをつみ重ねて
い つかなりたい科学界の
ち ゃんぴおん
この方法は、「この文字から始める」 という制約があるため、自由すぎて書けない…という子どもにとっても取り組みやすく、楽しみながら 「言葉を選ぶ力」 が身につきます。
また、名前を使った作文には、以下のような良さがあります。
• 自分のことを客観的に見つめるきっかけになる
• 自己肯定感につながる ( 「ぼくって、こんなにいろいろあるんだ」 )
• 韻をふんだりリズムをつけたりして遊べる
子どもが慣れてきたら、あえて 「ちょっと大げさに」 「将来の夢を思い切って書いてみる」 こともおすすめです。少し背伸びをして書く文章は、読み返したときに誇らしい気持ちにもなり、作文の楽しさを実感できるきっかけにもなります。
おうちの方が一緒に言葉を考えることや、「この文字から始まる〇〇ちゃんらしい言葉ってなにかな? 」 と声をかけてあげると、子どももグッと取り組みやすくなります。
できた作文をほめたり、おもしろがったりと、ちゃんと評価してあげることも、子どもの発想を広げる大きな助けになります。
作文の途中で 「この文字から始まる言葉が思いつかない…」 というときこそ、国語辞典の出番です。
ただ 「調べなさい」 と言うだけでは、子どもは億劫に感じてしまうことも。そこで、辞書を使うハードルを下げるアイデアをいくつかご紹介します。
● 「ことばさがしビンゴ」
自分の名前の文字から始まる言葉を辞書で10個探して、ビンゴのようにマスに並べていく遊び。
書いた言葉を使って文をつくると、作文力と語彙力の両方が身につきます。
● 「親子でことばしりとり」
国語辞典を使って、しりとりをするときの語彙を探します。
新しい言葉を見つけたら、「この言葉ってどういう意味?」 と一緒に調べるだけで、言葉への興味が自然と広がります。
● 「お宝ことばコレクション」
子どもが気に入った言葉をメモしていく自分だけの辞書を作ってみるのもおすすめです。
「たのしい」 「どきどき」 「きらきら」 など、表現の幅が広がることで、文章に彩りが生まれます。
国語辞典は、「調べるための道具」 ではなく、 「ことばで遊ぶ宝箱」 として親しむことが、言葉への関心を高める第一歩になります。
自己紹介は、単なる情報の伝達ではありません。
「自分はこんな人間です」 「こんなことが好きです」 「こんなふうになりたいです」 と、自分を知ってもらうための言葉のプレゼンテーションです。
そしてその力は、将来の面接や人間関係づくり、そして自己肯定感を育むうえでも、非常に重要です。作文の入り口として、まずは 「自分のことを楽しく書ける」 経験を積み重ねていきましょう。
「子どもの書く力を伸ばしたい」 「作文に自信をつけてほしい」
そんな願いを持つ保護者の方に、多く選ばれているのが、小学生向け作文通信教育講座 『ブンブンどりむ』 です。
『ブンブンどりむ』 では、
①「書けない」 を 「書けた! 」 に変える小さなステップの積み重ね
② 国語辞典や語彙カードを使った 「言葉あそび」 の習慣づくり
③ 名前作文や自己紹介文など、楽しく取り組める課題設計
を通して、子どもたちが 「自分のことば」 で表現できる力を育んでいきます。
初めての方には、教材が実際に試せる無料体験キットもご用意しています。
ぜひこの夏、お子さまと一緒に 「書く力」 の土台づくりを始めてみませんか?
読書感想文に 「正解の本」 はありません。
しかし、「自分らしく書ける本」 「心を動かせる本」 に出会えたとき、読書感想文はただの宿題ではなく、「ことばの冒険」 になります。
親子で選び、語り合いながら、子どもの内面とことばの力を一緒に育ててみませんか?
「どんな本ならこの子が楽しく読めそうか?」
「どんな問いならこの子が話してくれそうか?」
という視点で、子どもと一緒に 「読む前 ・ 読む途中 ・ 読んだ後」 の対話を楽しんでみてください。
そして、感想文という「表現の場」を通して、自分の言葉で感じたことを語る力を育んでいきましょう。
※イラストは「イラストAC ミミクリさん」より