小学生の書く力をつけるには

小学生の書く力をつけるには

小学校で「文章を書く」というと、「遠足」や「運動会」など行事作文を思いうかべる保護者の方が多いのではないでしょうか。実際に行事をテーマに作文を書いているケースは多いようです。

しかし、作文を書くとなると、
・書くことが思いうかばない
・どう書いたらいいのかわからない
などと悩んでしまうお子さまがいるのも事実。

作文の書き方をしっかり教わる機会がないこともあるので、書くことに苦手意識を持ってしまうのも無理はありません。

今、書くことに苦手意識のある小学生の書く力をつけるにはどうすればいいのか、行事作文を例にご提案です。

文章が書けないその原因は?

そもそも文章が書けない原因は何なのでしょうか。

思いうかんだ情景を言葉にできない

行事作文を書くとき、その行事でどんなことがあったか頭の中に思いうかべますね。そうした情景を思いうかべて、言葉をさがし文章にします。遠足での楽しい場面、運動会での興奮した場面、そのような映像は頭に思いうかんでも、それを言葉で表現できないもどかしさを感じて書けなくなってしまうケースです。ふだんから、言葉にする習慣をつけていくことがポイントになりますね。

書き進め方がわかっていない

「どんな文で書き始めればいいの?」「次の文には何を書けばいいの?」という疑問に引っかかって書けなくなることもあります。この状態になると、原稿用紙のスペースが果てしなく広いものに感じてしまい、書く手も止まってしまいます。文章を書くときには、どう組み立てればいいのか、構成を知ることがポイントになりますね。

アドバイスで意欲がそがれる

お子さまが書き上げた作文に対して、もう少しこうしたらよくなるという思いから、保護者の方がアドバイスしたり、書き直させたりすることはよくあると思います。こういった行為には注意が必要です。「こう書いたらまた何か指摘されるんじゃないか」という気持ちが芽生え、書けなくなるケースもあります。多くのお子さまにとって書くことは大変な作業。書けたことを認めることが大きなポイントになりますね。

書けるようにするためのおうちでできる3つのステップ

原稿用紙の前で考え込んでしまって進まない、お子さまがそんな状態なら、次の3ステップから始めてみましょう。

ステップ1 だれかに話してみる

書けないのなら、話すことから始めてみましょう。話すことも「言葉によるアウトプット」です。言葉にする経験を重ねましょう。お子さまが好きなことを話題にするといいですね。親子で共通の話題があれば、それを題材にするのもおすすめです。好きな食べ物、好きなスポーツ、好きな教科、好きなアニメのキャラクター、好きなゲーム等々。そうしたものを題材に、どんなところが好きなのかなど、保護者の側から聞いてあげると、お子さまの言葉を引き出しやすくなります。日頃のコミュニケーションを増やすことにもつながり一石二鳥です。

ステップ2 話したことを書いてみる

次のステップとして、話したことを書いてみましょう。「話したままに書くと、話し言葉になってしまう」などという思いは、この段階では脇においておきます。分量は少なくても大丈夫。低学年のお子さまであれば、思い出共有ノートなどを作ったりすると、より書きやすくなるかもしれません。

ステップ3 どんどん書いてみる

ステップ2で「書いてみる」をくり返すと、書くことに対する抵抗がなくなっていくと思います。そうなれば、しめたもの。どんどん書いてみましょう。内容は気にせず、思いついて口にしたことを書くことがポイントです。たくさん書くことで、お子さまの中に「作文回路」(言葉のアウトプット回路)ができてきますよ。

書く力をつけるための3つのステップ

話したことをただ書き連ねても、「だらだら作文」にしかならないのでは? そんな声も聞こえてきそうです。では、実際に作文を書くときはどうしたらいいのでしょうか。小学生の作文の定番「行事作文」を取り上げて、書き方のコツを紹介します。

ステップ1 書きたい場面をしぼる

行事作文でよくしてしまいがちなのが、次のようなパターン。

よくあるパターン例

「●月●日、朝▲時に起きた。顔を洗って、歯をみがいた。そして、朝ごはんを食べた。それから……」と、朝起きてからのことを時間の流れにそって書くパターン。

行事名を漠然と思いうかべて書くと、すべてを書こうとしてしまいますね。

書きたい場面をしっかりしぼりましょう。

行事の中でも特に心に残った場面にしぼりこむのがコツです。

下の図を使うと便利です。

1.紙の中心に行事名を書いて、まわりのスペースに心に残ったことを思いつくままに書き出す。

2.1で書き出したものの中で、最も印象に残ったものを選ぶ。

3.新たな紙に、2で選んだものを真ん中に書き、その中で心に残ったことを書き出す。

こうすると、作文で書く題材をしぼりこめます。

ステップ2 書きたい場面から書き出す

ステップ1でしぼりこんだ場面から書き出してみましょう。印象に残った場面は、お子さまにとって一番心が動いたところ。伝えたい気持ちをのせて書くことで、読み手をぐっと引きつけることができます。次のような書き出し方法があります。たとえば、下記は運動会の作文の書き出しです。

 ・会話から書き始める

  (例)「よくがんばったわね。いい走りだったわよ」母が私に言った。

 ・五感にうったえる表現から始める

  (例)「ピピーッ」競技終了をつげる笛が鳴った。

 ・動きのある文から始める

  (例)前を走る子の背中がみるみる大きくなっていく。

ステップ3 作文の組み立てを知る

ステップ3では、いよいよ作文を仕上げます。400字(原稿用紙1枚)程度なら「はじめ・なか・おわり」の3段落構成が書きやすいですね。

はじめ

いちばん印象に残った場面(ステップ2で書いたこと)を書く

なか

「はじめ」の内容につながる出来事を書く

見たこと・聞いたこと・さわった感じなど、五感にうったえる表現を入れると、くわしく書くことができます。

おわり

全体のまとめとなる思いを書く

 

小学生に定番の行事作文では、いちばん書きたい場面(心が動いた場面)から書くことがコツです。「伝えたい!」という気持ちをもって書くことで、どうやったら読む人に伝わるか、お子さまなりに考えることにもつながります。このように「書いてみる」「どんどん書く」から「読み手を意識して書く」になれば、お子さまの書く力はどんどん伸びてきます。

まとめ

「行事作文」の書き方を例にあげて、小学生の書く力をつけるにはどうしたらよいかを書いてみました。

うちの子は書くことが苦手と思ったら、まずは、この記事のひとつでも試してみてください。

もちろん作文は「行事作文」だけではありません。「日記」「読書感想文」「意見文」「説明文」「レポート文」など、さまざまな種類があります。

また、小・中・高校で新しい学習指導要領も実施され、学校の授業でも入試でも「知識・技能」に加え「思考力・判断力・表現力」が問われるようになり、「自分の考えを言葉にする力(書く力)」は今後ますます求められる流れです。

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ブンブンどりむ編集部

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