テレビや動画とのつきあい方~菅原裕子先生「お悩みパパ・ママ 子育て相談」から~

テレビや動画とのつきあい方~菅原裕子先生「お悩みパパ・ママ 子育て相談」から~

「ブンブンどりむ」では毎月、会員のみなさまの子育ての悩みに対し「お悩みパパ&ママ 子育て相談」と題して、コーチングの専門家である菅原裕子先生にお答えいただいています。
ブンブンぱぁとなぁWEBの中に収録されているお悩みの中から、よく読まれるものをこちらでもご紹介いたします。

★今回ご紹介のお悩み★
テレビや動画との上手な付き合い方を教えてください。
1年生の女の子です。テレビや動画を見始めると、2〜3時間見ないと気が済まないようです。
「切りの良いところね」と、1時間でスイッチを切ろうとすると、駄々をこねるので、つい根負けして、ずるずると見せてしまっています。どうしたらよいでしょうか?

菅原先生のご回答

親子でルールを定め、親子で徹底遵守!

 テレビや動画との付き合い方をコントロールするのは、なかなか難しいものです。動きのある映像と音の世界は、子どもの興味を惹きつけてやみません。本のように、こちらから興味を持ってアプローチする必要もありません。少ない労力でたくさんの刺激を得られる、魔法のようなコンテンツです。それだけに、思ったよりたくさんの時間を費やしてしまいがちなものでもあります。

テレビ・動画の問題点は他のことをする時間を失うこと

 テレビそのものが子どもに悪影響を与えているかというと、必ずしもそうではありません。幼児期の子育てに関することではありますが、テレビの影響について、研究されていることがあります。テレビを長く見続けることが、幼児期の子どもに悪い影響を与えるとすれば、それはテレビから提供される内容の問題ではないそうです。問題は、子どもがテレビに接している間は、他の人と接することがない、コミュニケーションを学ぶことができないというところにあります。ですから、テレビだけに子守をさせるのではなく、たとえば親子で一緒にテレビを見て、その内容についてやりとりする時間を持つ、テレビをコミュニケーションのきっかけとすることで、テレビとうまく付き合っていくことができるといいます。
 この構造はきっと、小学生になっても同じでしょう。テレビや動画を見ること自体が悪いのではなく、その他の必要なことをする時間を失うことに問題があるのです。テレビや動画は面白いものです。そして、この世界には他にも面白いものがたくさんあります。子どもは、テレビや動画以外のものにも触れていく必要があります。もし私たち大人が、子どものテレビや動画の時間を制限する必要があるとすれば、このような理由を踏まえておく必要があるでしょう。

なぜテレビ・動画を制限するかきちんと伝えましょう

 まずは、このことを親子で共有しましょう。「テレビや動画は楽しいものだけれど、子どものうちにはもっとたくさんの楽しみを学ばないといけません。何も与えられなくて退屈な時間に、何をして過ごそうかなあと知恵を絞って、楽しみを作り出す経験もあったほうがいいのです。テレビや動画は面白いものなので、一度つけるとなかなかやめられません。だからあらかじめ時間を決めます。1日合計1時間までです」ということを、子どもにわかるように、丁寧に話してください。
 その会話をするのは、テレビや動画を見ているタイミングではなく、あらかじめ、時間に余裕を持って話しておくことです。今テレビを見て楽しんでいる子から、その途中でテレビを取り上げるのは、もめる元です。子どもも嫌がって抵抗しますし、親子のバトルになりかねません。ですから、子どもがテレビに気を取られていないとき、お風呂や外出のタイミングを利用して、気持ちが落ち着いているときに話をします。

ルールとペナルティを決め、見守りましょう

 そして、テレビを見るときのルールと一緒に、それを守れなかったときのペナルティも決めておきましょう。「テレビを見るときは、1時間で鳴るようにタイマーをかける。鳴ったときか、そのあとすぐに親が声をかけたときに消さない場合は、次の日はテレビも動画も見られない」などというように、ルールを守らなければ、テレビを楽しむことができない、というしくみにするのが良いでしょう。ルールを決めたら、あいまいにならないよう書いて、見える所に貼り出しておきましょう。
 そしていったんルールを決めたら、「キリが悪いから、あとちょっとだけ」を認めることはできません。もし、親がルールをやぶることを許してしまうと、結局は子どもと親のバトルになってしまいます。ルールやペナルティは、親と子どもが対立しないための道具です。子どもはルール通りにテレビや動画を楽しみ、親はそれを手伝う、という関係を保ちましょう。
 親の仕事は、子どもがルールを守れるように手伝うこと、また、うまくいかなかったときにはペナルティが正しく科されるようにすることです。たとえば、子どもが1時間を楽しめるよう、目当ての番組を録画しておいたり、見方のアドバイスをしたりすることも必要かも知れません。ルールが守れなかったときには、場合によってはリモコンを預かったり、テレビの電源を抜いたりする必要もあるかもしれません。子どもがルールを守れる環境を作ります。子どもとの間に、「駄々をこねて、親が根負けすれば、何でもしたいようにできる」という関係を作らないことです。「駄々をこねて、もし親が根負けしたとしても、ルールはルールなのでどうしようもない」という関係に変えていきましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

子育てをしている保護者様のヒントとなることがあれば幸いです。

「ブンブンどりむ」保護者さま向け情報誌で好評連載中の菅原裕子先生の「子育て相談」。

バックナンバーは、ブンブンぱぁとなぁWEBでもご覧になれます。

 

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