「英語は上手になったけれど、日本語がうまく出てこなくて…」
海外で暮らす日本人家庭にとって、お子さまの言語教育はとても大切なテーマです。ご家庭では日本語を使っていても、学校や友だちとの会話は現地の言葉中心という場合も多く、「このまま日本語を忘れてしまわないかな…」と不安に思われる保護者の方も少なくありません。
実はこうした不安の背景には、 「ダブルリミテーション(Double Limitation)」 という考え方があります。この記事では、海外で育つお子さまの日本語力を大切に育む方法として、作文教育がどのように役立つのかをご紹介します。
「うちの子は日本語も英語も話せるから大丈夫」と思っていたのに、だんだんと日本語での表現が難しくなってきた——そんな声を保護者の方から伺うことがあります。
例えば、
▲ 日本語の少し難しい言葉や言い回しが出てこない
▲ 自分の気持ちを日本語でうまく伝えられない
▲ 日本語の本を読んでも、内容の理解に時間がかかる
といった場面に気づくことがあります。
これは、 「話す力」 と 「考える力」 のあいだに、少しギャップが生まれている状態かもしれません。
でも、心配はいりません。大切なのは、 “日本語でじっくり考えて、伝える” 経験を少しずつ増やしていくことです。作文はその第一歩になります。
言語教育の研究では、 「ダブルリミテーション(Double Limitation)」 という概念があります。これは、母語と第二言語の両方を使う環境で育つ子どもが、どちらの言葉にもじゅうぶんな機会を得られないと、思考や表現に難しさを感じることがある、という考え方です (Cummins, 2000)。
もちろん、すべてのお子さまに当てはまるわけではありません。でも、たとえば日本語で複雑な気持ちを伝えたり、日本の文化や社会について話す機会が少ないと、 「伝えたいけどうまく言えない…」 と感じてしまうことがあるかもしれません。
そうならないためにも、家庭の中で “母語” を楽しく、丁寧に育てていくことが大切です。
作文というと、 「ちゃんと書かなきゃ」 と身構えてしまう方もいるかもしれませんが、心配はいりません。
作文は、お子さまが自分の言葉で、自分の気持ちや経験を表す大切な時間です。うまく書けなくても大丈夫。 「今日楽しかったこと」「びっくりしたこと」 を少しずつ書いていくだけで、日本語で考え、伝える力がゆっくり育っていきます。
例えばこんな効果が期待できます
✔ 週に1回の作文習慣で、日本語で考える時間が持てる
✔ 語彙や文法も “使いながら” 身につけられる
✔ 気持ちを言葉にする力がついて、自己肯定感もアップ
作文は、ただの勉強ではなく、お子さんの 「心の整理」 と 「表現の練習」 ができる、温かい時間です。
作文を通して日本語の力を育てている海外在住のご家庭からは、次のようなお声をいただいています。
「学校では現地の言葉ばかりだったけれど、作文を始めてから “日本語で考える時間” ができました。」
「祖父母とビデオ通話したとき、子どもが自然に日本語で話していて驚きました。」
作文を続けることで、「日本語を話す」「書く」だけでなく、“日本語でつながる”喜びや安心感を実感するお子さんもたくさんいます。
「英語ができれば将来安心」 と思われるかもしれません。でも、母語の力がしっかりしているからこそ、英語や他の言語も深く学べるという研究があります。(国立国語研究所, 2020)
母語が豊かになることで、例えば、
◎ 論理的に物事を考える力が育つ
◎ 他の言語でも深い理解や表現ができるようになる
◎ 異文化理解が深まり、自分の考えをしっかり持てるようになる
など、将来につながる力が自然と身についていきます。
『ブンブンどりむ』 では、海外からの受講にも対応しています。教材はマンガやイラストで楽しくわかりやすく、お子さまが「やってみたい!」と思える工夫がいっぱい。
添削のやりとりは、日本国内と同様に郵送でもPDFメールでも対応可能です。赤ペンコーチからのコメントには、お子さまのきらりと光る表現に寄り添い共感するあたたかい言葉がいっぱい! “日本語の先生とつながっている” 安心感が得られます。
また、表現力を育むために、 『ブンブンどりむ』 では本(絵本)を読んだり、視写をしたり、様々な作品にふれたりすることで、日本の文化を知り、情操を養います。そうすることで、豊かな表現力や語彙力を自然と育みます。
海外に暮らしていても、日本語はお子さまにとって大切な 「自分らしさを支える言葉」 です。そして、作文を通じてその日本語を大切に育てていくことで、お子さまの思考力や表現力、そして家族とのつながりが、しっかりと根を張っていきます。
『ブンブンどりむ』 は、そんな日本語の学びの時間を、海外にいても無理なく、そして楽しく続けられるお手伝いをしています。作文を通じて、 「ことば」 を 「力」 に変えてみませんか?
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