整理整頓がとっても苦手です~菅原裕子先生「お悩みパパ・ママ 子育て相談」から~

整理整頓がとっても苦手です~菅原裕子先生「お悩みパパ・ママ 子育て相談」から~

「ブンブンどりむ」では毎月、会員のみなさまの子育ての悩みに対し「お悩みパパ&ママ 子育て相談」と題して、コーチングの専門家である菅原裕子先生にお答えいただいています。
ブンブンぱぁとなぁWEBの中に収録されているお悩みの中から、よく読まれるものをこちらでもご紹介いたします。

★今回ご紹介のお悩み★
整理整頓がとっても苦手です。
小学4年生の男児ですが、学校の先生からも指摘されるほど、身の回りの整理整頓が苦手です。親が手を出していてはいつまで経ってもできるようにならないと思い、黙って見守ったり、遠回しに声掛けしたりしているのですが、なかなか自分でできるようにならず頭を抱えています。

菅原先生のご回答

経験を積めば大丈夫!
タイミングを見計らって、サポートしていきましょう

 整理整頓が苦手、片付けができないという悩みを、よく耳にします。親は、散らかり放題の中にいる子どもを見て落ち着かない気分になったり、大きくなってもこのまま片付けができなかったらと心配になったりします。学校の先生から指摘されるなどすると、なおさら心配になるでしょう。いずれにせよ、子どもは発達の途上にあります。どの子にも、苦手なものというのはあります。子どもによって、忘れ物が多い、時間に遅れがち、気が短い、物をなくすなど、表れ方はさまざまです。整理整頓が苦手というのもそのひとつです。あまり神経質にならず、サポートしていきましょう。

子どもってそんなもん!

 子どもがうまく片付けられない原因と、対策を考えてみましょう。
 子どもってそんなもん!──そう言ってしまうと元も子もないと思うかもしれませんが、“子どもってそんなもん”です。程度の差はありますが、子どもの目はいつも面白いものを探しています。宿題しなきゃいけないとわかっていても、ゲームはしたい、テレビも見たい、マンガも読みたい、友だちとも遊びたい。目先の楽しいことと、一日のタスクで、頭がいっぱいです。そうなると、何かを終えた後の片付けは、ひとまず後回しとなるのが当然です。常にきっちり整理するというわけにはいきません。その都度片付けられるようになるのは、もう少し先のことでしょう。まずは、決まったタイミングで短い「片付けの時間」を持つことから始めましょう。ほかの作業が落ち着いてからが、片付けに集中できる時間帯です。たとえば夕飯の前に5分で机の上を片付ける、という作業を毎日やり続けることで、習慣になっていきます。

まだまだ発展途上

 人によって物を学ぶ時期と速度はまちまちです。片付けも同じです。全ての子が、同じタイミング・同じ段取りで、同じようにできるわけではありません。そもそも「散らかさない」というのは、簡単なことではありません。たとえば、郵便受けからチラシを取って家に入る。ここですぐ、チラシを取っておくか捨てるか区別してしまえばよいのですが、たいてい、他の荷物を持っていたり、別の用があったりして、いったんチラシはそこに置いておく。大人もすることです。そういった行動が重なって、あっという間に身の周りは散らかっていきます。
 小学校4年生はまだまだ発展途上です。どちらを優先させるか、どれから終わらせたらよいかの見通しがつくには、まだ時間がかかります。「ひとつずつ完了する」「要領よく進める」ということができるようになるには、まだまだ経験が足りません。

親の習慣も振り返りましょう

 家の中に物が多くはないでしょうか。親自身の習慣も振り返ってみましょう。買い物が好き、サンプル品をよくもらうなど、家に持ち込む物の量が多くなれば、それだけ片付けの手間は多くなります。物を減らしましょう。まず家に物を持ち込まないことです。子どもの物も増やさないよう心がけましょう。

子どもの傾向を理解する

 脳の癖としてADHD(注意欠如・多動性障害)やADD(注意欠如障害)の傾向があれば、片付けは苦手でしょう。発達障害と診断されることがないとしても、それは程度の問題であって、誰しも多かれ少なかれその傾向を持っているものです。
 たとえば空間を認識する能力が多少低いだけで、片付けは一段難しくなります。日頃からよく観察をしてお子さんの傾向を認識しましょう。近視の人が遠くのものが見えづらいように、散らかっている状態をうまく認識できなかったり、片付いている状態をうまくイメージできなかったりする人がいる、と理解することは重要です。
 癖があるからといって、人間としてダメなわけではありません。ところが、親が「みんなと同じようにできる」を求めると、子どもの「私はできない人間だ」という苦手意識をより強めることになります。傾向をよく理解したうえで、うまくフォローする方法を考えながら、片付けを習慣づけるよう心がけましょう。

一緒に片付けよう

 「片付けなさい」より、「一緒に片付けよう」がいいでしょう。物を置く場所がはっきり決まっていれば、そこに戻すのは難しくありません。
 思い切って捨てる練習も必要です。親は10個すべて捨ててしまいたいと思うかもしれませんが、そこはぐっとこらえて、「もう遊ばないかもしれないものを2つ捨てましょう」と働きかけてみてください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

もうすぐ年末、大掃除の時期です。

「ふだんから整理整頓しておきなさい」なんて言うことが増えそうな時期ですね。

子育てをしている保護者様のヒントとなることがあれば幸いです。

「ブンブンどりむ」保護者さま向け情報誌で好評連載中の菅原裕子先生の「子育て相談」。

バックナンバーは、ブンブンぱぁとなぁWEBでもご覧になれます。

 

※画像は「イラストAC 冬野あおさんより」

 

小学生向け通信教育講座「ブンブンどりむ」

ブンブンどりむ編集部

『ブンブンどりむ』は、「マンガ形式の学びやすいテキスト」と「30年の実績ある、ほめて伸ばす添削指導」で、お子さまたちがこれからの社会で求められる「書く力」「考える力」を基礎から育み、ぐんぐん伸ばします。

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