現代は変化の激しい時代です。社会は目まぐるしく変化し、価値観もどんどん変わっていきます。この変化にしなやかに対応し、強くたくましく生き抜く力を備えるためには、どうしたらよいのでしょうか。
ブンブンぱぁとなぁWEBの中に収録されている齋藤孝先生のお話の中からヒントとなる部分をまとめてみました。
どんなに社会が変化し、価値観が変わろうとも、自分の力を発揮してたくましく世を渡って生きていけるように育てるにはどうしたらよいか。その鍵は幼少期の過ごし方にあります。子どもたちがゆったりと心豊かに過ごすこと、追い立てられるような気持ちを持たず、子ども時間を存分に過ごすことが、変化に対応するしなやかさを備えることにつながります。そのように過ごすためには、絵本と触れ合う時間をなるべく多く持つことが大切だと考えます。
絵本には「美しい言葉」「やさしい言葉」「あたたかい言葉」「洗練された品位のある言葉」が満ちあふれています。宮沢賢治作の『やまなし』という作品には「クランボンはかぷかぷわらったよ。」という会話が出てきます。「クランボン」というのは何でしょう? 「かぷかぷわらった」というのはどんな意味でしょう? 聞いたことも見たこともないような日本語が並んでいるのですが、その言葉の響きの美しさには大人も子どもも惹きつけられます。こうした絵本ならでは美しい言葉の世界を、親子で一緒に楽しみ共有することは、子どもの心の成長に大いに役立ちます。
私たち人間は、言葉で考え、言葉で心を表現し合い、言葉で気持ちを伝え合います。言葉が豊かになれば、心も豊かになります。言葉を知り、言葉と出会うことは、人が人らしく生きるための基本でもあります。
絵本では、使われる言葉の数は限られています。しかし、絵本は、作家が子どものために考え抜いて厳選した言葉の世界です。絵本の美しい言葉の世界になるべく多く触れさせてあげてください。子どもは言葉と一緒に心や感情、感性などを体得していくものです。美しい言葉は心に豊かさをもたらします。すぐれた絵本は、子どもに大きな栄養を与えてくれるのです。子どもの時にしかない感性で、なるべくたくさんの美しい世界を経験させてあげるとよいでしょう。
絵本には、「本好きな子どもに育てる」「読書ができる子どもに育てる」という効用があります。本を読むこと、読書をするという行為は、簡単そうに見えて、コツを必要とします。だからこそ、小さい頃から練習が必要になります。本を読む楽しさがわかると、コツが身につきます。絵本はその入り口なのです。
また、絵本で先に触れたことがあるという経験が、後に原作の小説を読もうという時に一気にハードルを下げてくれるでしょう。子どもの頃の絵本との出会いは、その後の読書習慣に大きな影響を与えるのです。
絵本は子どもだけのものではありません。大人が読んでも考えさせられること、気づかされること、学ぶことがたくさん詰まっています。ですから、まず、おうちの人が絵本を楽しんでください。読み方の正解など、求める必要もありません。ただ、ただ、親子が一緒に絵本の世界で楽しい時を過ごすことが大事なのです。親子で一緒に楽しく読めば、子どもの心は育ち、大人は心を癒されます。子どもはやがて自分の足で立ち、自分の頭で考え、自分の手で幸せをつかみにいく力を身につけることでしょう。
いかがでしたか。
親子で同じ時間を共有すること
絵本の世界の中で自由に想像しふるまうこと
お子さまなりの今だけの体験をすること・親はそれを見守ることが大切なのかもしれません。
絵本を通して体験したことは、豊かな表現力の源にもなっていくことと思います。
※お子さまの日々の体験こそ、表現力の源泉です。
体験したことをお子さまなりの言葉で表現する力を身につけたいなら、ブンブンどりむもぜひご覧ください。
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